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京都市が導入した空き家税が話題!放置している空き家は注意
京都市が導入した空き家税が話題!放置している空き家は注意
2024-08-28 公開
京都市では、令和8年以降、非居住住宅の所有者を対象として「日居住住宅利活用促進税」を導入することとなりました。
これは日本で初めての「空き家税」として大きな話題を呼んでいます。
本記事で、この「空き家税」とはどのようなものなのかや、今後の取り組みについて解説しています。
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京都市が全国初導入の空き家税とは?その概要と理由


京都市では、令和8年以降、非居住住宅の所有者を対象として「空き家税」こと「非居住住宅利活用促進税」を導入することになりました。

なぜ空き家税が導入されることになったのか、空き家を取り巻く問題と導入の経緯について解説していきます。

空き家を取り巻く問題

平成20年住宅・土地統計調査によると、空き家は全国で約757万戸で、京都府では17万戸の空き家がある状況で、全国・京都府どちらも空き家率は13.1%です。

京都市においては、空き家は11万戸で、空き家率は14.1%となっています。 これは、全国・京都府の空き家率を上回っており、深刻な問題となっています。

京都市での空き家の推移は、昭和48年ごろから住宅総数が世帯総数を上回っており、空き家率も増加し続けています。

空き家が増えることで、いくつか問題点が発生します。

周囲の景観を悪くする

1つ目は、周囲の景観が悪くなることです。 管理もせずに空き家が放置されていると、建物が老朽化し、雑草も伸び放題になります。

その状態のままだと周囲の景観も悪くなり、犯罪の発生やゴミの不法投棄などの悪影響をもたらす可能性も高くなります。

買える物件が減って固定資産税の税収入が減る

京都市では、家を買いたいという需要が一定数あります。 しかし、購入できる物件が少なく供給量が減っているという問題が発生しているのです。

特に都心部ではマンションをセカンドハウスとして住宅を利用する人が増えており、不動産価格が高騰しています。 そのため、若年世代や子育て世代が購入できる物件が減っており、他府県に若い世代が出ていってしまい少子化が進んでいるのも問題となっています。

この問題が進むことで、結果として京都市の税収入が減ってしまうことにも繋がっているのです。

所有者のわからない空き家がある

2021年の国交省の調べによると、全体の約24%が所有者のわからない「隠れ空き家」であるとされています。 所有者がわからないまま放置されていると、1つ目の問題点である景観を悪くするなどの問題にも繋がっていきます。

この問題に関しては、「相続登記」と「住所変更登記」が罰則付きで義務化されることで解決へと進める見込みとなっています。 申請期限は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内で、申請を怠ると10万円以下の罰金を課せられるになります。

京都市の新税導入の経緯

京都市た空き家税を導入することになった理由は、市内の住宅不足の解消と不動産市場の流通促進のためです。 先にも述べたように、京都市ではセカンドハウスとして都心部にマンションを購入する富裕層が増えています。

それにより、京都市の不動産価格は上昇し続けており、国交省の公示地価によると2012年から2022年の間に66%も上昇しているのです。

国内外の富裕層から京都市は人気が高いですが、不動産価格の上昇により若い子育て世代が京都市内で家を購入することができなくなっています。 そのため、京都市外へと流出する事態が発生しているのです。

これにより京都市では少子化が進み、税収入も減ることとなり深刻な問題となっています。 この状況を解決するために、空き家やセカンドハウス、別荘などに空き家税を課して、空き家を不動産市場に流し、若い世代にも家を購入できるようにすることを目指しています。

空き家税の対象:放置された物件を利活用促進策


空き家税の課税対象について見ていきましょう。

京都市が課税対象とする空き家とは

空き家税は、京都市の市街化区域内に所在する非居住住宅を所有している人に課せられます。 非居住住宅とは、居住用や賃貸用として利用しておらず、不動産市場にも流通していない全ての物件のことを指します。

ただし、以下のようなケースは空き家税の対象外です。

・事業に使っている建物、もしくは空き家税の課税基準日から1年以内に事業に使う予定のある建物
・賃貸に出して貸借人の募集を開始した日、もしくは売りに出して買い手を募集した日から計算して1年経過していない
・固定資産税の課税標準額が20万円未満の物件や、非課税もしくは課税免除されている物件
・景観法により景観重要建造物として指定されたもの、歴史的な価値を有する建築物として別に定められているもの
・公益上その他の事由により市長が課税を不適当と認める場合

上記の条件に当てはまっている場合、空き家税の対象外となります。
しかし、課税の対象から外してもらうためには、空き家税の課税基準日になる年の1月31日までに申告書の提出が必要です。

また、空き家の所有者が死亡した場合、課税が3年間猶予されます。

利活用を促進する空き家税の仕組み

空き家税は「家屋価値割」と「立地床面積割」を合計して算出します。

家屋価値割とは、家屋の固定資産評価額×0.7%で算出し、立地床面積割は敷地の土地1m2あたりの固定資産評価額×家屋床面積×税率で算出されます。
これらを合計することで、空き家税が算出されます。

空き家税の導入開始年度は2026年度からになる予定です。

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住宅・別荘などが対象の空き家税


空き家はセカンドハウスや別荘などの非住居住宅を対象に空き家税が課せられますが、他にも固定資産税や都市計画税も納付しなければなりません。
また、空き家を放置していると固定資産税が最大で6倍になる可能性もあるため、注意しなければなりません。

固定資産税評価額を6倍

固定資産税とは、土地や建物などに課せられる税金のことで、毎月1月1日時点で固定資産税の課税台帳に所有者として登録されている者に課せられる税金です。
先にも述べましたが、空き家を放置していると固定資産税の納付額が6倍になります。

6倍になる条件は「空き家対策特別措置法」によって指定された「特定空き家」に該当する建物です。
以下のような家が「特定空き家」になります。

・倒壊の危険がある家
・衛生上有害となる危険がある家
・適切な管理が行われておらず周囲の景観を損なっている家
・周囲の生活環境を守るためにも放置するのが不適切な家

上記から、非常に危険な状態である空き家にも関わらず、放置していると判断された場合、固定資産税の納付額が6倍になります。

不動産管理者への負担増を引き起こす可能性

空き家税は、2026年度から導入が開始されますが、不動産管理者への負担が引き起こされる可能性が懸念されています。 また、所有している空き家が特定空き家の対象になると、固定資産税の負担が大幅にかかってくることとなります。

不動産管理者が空き家税や固定資産税での大きな負担を課せられないためにも、以下のような方法で負担を減らす必要があります。

・空き家を賃貸物件として貸し出す、空き家を売却して手放す
・空き家を解体して更地にする

ただし、空き家を賃貸物件にする場合、空き家の修繕や大家としての管理が必要になります。
空き家を解体して更地にする場合、解体費用を負担しなければなりません。

また、更地にすると建物の固定資産税はなくなりますが、「固定資産税等の住宅用地特例」が適用されなくなるため、土地にかかる税率の特例率がなくなり、固定資産税の総額が増えてしまいます。
ただ更地にすることで、エリアによっては売却しやすくなることもあるため、不動産会社と相談して決めると良いでしょう。

空き家税の導入、全国へ広がる可能性


京都府での空き家税の導入がうまく機能するようであれば、今後他の自治体でも導入されていずれは全国へ広がる可能性もあります。
今現在、利用していない空き家を所有しているなら、早めに売却や不動産活用を検討しておくのをおすすめします。

相続の問題を解決する新たな手法「空き家税」

空き家税は、売却したり賃貸に出したりして空き家の活用を促すために作られた制度です。
京都市では、少子化や若い世代の流出の食い止めを目的として導入することとなりましたが、相続の問題を解決する新たな手法になる可能性もあります。

また、更地にすると建物の固定資産税はなくなりますが、「固定資産税等の住宅用地特例」が適用されなくなるため、土地にかかる税率の特例率がなくなり、固定資産税の総額が増えてしまいます。
ただ更地にすることで、エリアによっては売却しやすくなることもあるため、不動産会社と相談して決めると良いでしょう。

相続した空き家の使い道に悩んでそのまま「特定空き家」になるまで放置するのではなく、売却したり賃貸へ出したりといった行動を早期で進めることで空き家税の支払いも避けられるでしょう。

このように、早めの取り組みを進めることで京都市の空き家問題の解決を進めることを目指しています。

空き家税の取り組みが全国へ広がる可能性

空き家問題は京都市だけでなく全国で問題視されています。
京都市でうまく機能することができれば、さらに他の自治体でも空き家税の導入が開始される可能性もあるでしょう。

空き家税の支払いや固定資産税が6倍になるなどの税金負担を避けるためにも、早めに売却や賃貸の検討を進めていくことをおすすめします。

まとめ


京都市で導入される空き家税について解説しました。
京都市が目的とする「市内の住宅不足の解消」と「不動産市場の流通促進」が、2026年度以降の空き家税導入後に果たしてうまくいくかどうかは、心配されている部分もあります。

京都市に空き家が市場に出ても、「中古物件を京都市で買うよりも市外で庭付きの新築を購入したい」と考える子育て世代が多いのではと懐疑的に見ています。
空き家税が空き家問題の解決の糸口となれば、全国導入が広がっていくことでしょう。

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