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借地権の立退料はいくら?立ち退きの際の相場や立退料が高額になるケースについて
借地権の立退料はいくら?立ち退きの際の相場や立退料が高額になるケースについて
2024-06-03 公開
借地権の立退料についての理解は、土地や建物の所有権とは異なる特有の制約やメリットを持つため重要です。立退料は、地主から借地人へ支払われる補償金であり、その額はさまざまな要因によって左右されます。
立退料が高額になるケースや、逆に不要となる状況もあるのです。今回の記事では、借地権の概要から立退料の相場や高額になるケース、そして立退料が不要となるケースについて解説します。
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借地権とは?

借地権とは

借地権とは、土地の所有者から土地を借りる権利のことを指します。借地権には、旧借地法と借地借家法に基づくさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。借地権の理解は、土地や建物を取得する際に重要な役割を果たします。このセクションでは、借地権の基本的な理解とその種類について解説します。

借地権の基本的な理解

借地権とは、他人の土地を借りて、その上に建物を建てることができる権利です。この権利により、借地人は地主に対して地代を支払い、土地を利用できます。

借地権には、土地に対する固定資産税や都市計画税がかからないというメリットがあります。また、所有権を購入するよりも安価で土地を利用できることが特徴です。

ただし、借地権には地主との契約に基づくさまざまな制約が伴います。たとえば、名義変更や増改築の際には地主の承諾が必要になることも多いです。

また、地代の値上げや契約更新の際に更新料が発生することもあります。売却する際にも、所有権に比べて資産価値が低くなりがちです​​。

借地権の種類と特徴​​

借地権には、主に旧借地法と新借地借家法に基づく種類があります。旧借地法は1992年(平成4年)8月以前からの契約に適用され、更新により半永久的に借りることが可能です。

新借地借家法は、1992年8月以降の契約に適用され、普通借地権と定期借地権の2種類があります。普通借地権は借地契約の更新が可能です。定期借地権は契約期間の終了と共に終了します。

新法の普通借地権の存続期間は一律に30年と定められており、建物の構造に関わらず更新が可能です。一方、定期借地権は、更新なしで契約期間が満了すると土地を返還しなければなりません。

たとえば、一般定期借地権の場合、契約期間は50年以上となっています。旧法と新法の違いを理解することは、借地権の契約を結ぶ際に重要です。旧法は借地権者の立場を強く保護しているのに対し、新法は双方の便宜を図るために改正されました。

現在、旧法と新法が混在している状況にあるため、契約書の確認や専門家への相談が推奨されます​​​​。

借地権の立退料の相場

借地権の立退料の相場

借地権の立退料には、実は一律の相場や計算式が存在しません。立退料は、事案に応じて個別に算定され、地主と借主の話し合いによって決められることが多いです。

借地人の使用方法や経済的損失をベースに立退料を決定するのが、裁判所の判断の傾向です。借地人が物件から立ち退いて移転する際に必要な費用や損失が、立退料の計算において考慮されます。

立退料は、地主と借地人双方の事情を考慮することになりますが、特に借地人側の都合が重視される傾向にあります。借地人が物件を何のために使用しているかによって、立退料の金額は大きく異なるため、個別事情を基に計算されることが一般的です​​。

立退料を高くする要素とは

立退料を高くする要素とは

立退料の交渉は、地主と借地人の間で行われる重要なプロセスです。立退料を高くする要素には、借地を使用する必要性の主張、更新料の支払い証明、早期立ち退きの提案などがあります。

借地を使用する必要性

借地を使用する必要性が高いと、立退料が高くなる傾向があります。借地人が借地上の建物に住んでおり、他に所有している宅地や建物がない場合は、借地人側に有利に働くでしょう。

また、引越しや移転によって現在の家賃よりも家賃の高い物件に移らざるを得ない場合には、移転先の家賃と現在の家賃との差額を立退料として地主が負担することが一般的です。契約費用や引越し、移転費用、休業補償なども立退料の交渉において重要な要素となります。

特に店舗などの場合は、状況によって非常に高額な立退料となることが珍しくありません​​。

更新料の支払い証明と早期立ち退き

更新料の支払いを証明することは、立退料を高くする方に働きます。また、地主が早くその土地を使いたいと考えている場合は、早期立ち退きを条件に立退料を高くする場合が多いです。

立退き交渉が進まない場合には、調停の申立てを行い、民事調停で解決を図ることもひとつの選択肢となります。調停で話し合いがまとまった場合には、和解調書が作成され、その内容は確定判決と同じ効果を持つものです。

調停が決裂した場合には、双方が訴訟に向けて準備する必要があります​​​​。

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立退料が不要なケース

立退料が不要なケース

立退料が不要なケースは、主に契約違反や定期借地契約が関わっています。これらのケースでは、借地人が地主に対して立退料を請求できないのです。

また、建物を建てる目的でない借地契約の場合も、立退料は発生しません。ここでは、立退料が不要となる具体的なケースについて見ていきましょう。

契約違反や定期借地契約の場合

地代の滞納などの契約違反がある場合、立退料の請求はできません。契約違反による立ち退きの場合、借地人は契約解除後、速やかに建物を明け渡す義務があります。

また、定期借地契約、一時使用目的の借地権、建物譲渡特約付借地契約など、契約更新が認められないケースでは、立退料は発生しません。これらの契約は、更新がないことを前提にしており、通常の借地権よりも契約時点での権利金や地代が、低く抑えられていることが多いです​​。

建物を建てる目的でない借地契約の場合​​

駐車場として使われている土地や太陽光発電のための土地など、目的が建物を建てることではない場合、立退料は支払われません。これは、借地権が借地上に建物が建っていることを条件として発生するため、建物が建っていない場合にはそもそも借地権が発生していないためです。

また、借地人側に重大な契約違反がある場合も、立退料の支払いなしに立ち退きが認められる可能性がありますが、非常に重大な違反でなければなりません​​。

借地権の売却という考え方

借地権の売却という考え方

借地人側は地主から立ち退きの要請があった場合、立退料を高額にする交渉を行うという選択肢が一般的です。しかしながら、相場のないものだけに、必ずしも交渉が成功して高額な立退料が得られるとはかぎりません。

もうひとつの選択肢は、借地権を不動産業者に売却するという、いわゆる「買取」を利用する考え方です。借地権を第三者に売却するのは難しく、時間も手間もかかりますが、不動産業者に直接売却するのはシンプルですぐに資産の現金化が図れます。

一般的に不動産業者や買取業者への売却は、借地権の本来の価値から低くなるのは否めません。しかし借地権の扱いに長けている買取の専門業者であれば、適正価格に近いかたちで、スムーズに売却できる可能性があります。

まとめ

まとめ

借地権の立退料は一律の相場や計算式が存在しないため、個別の事情を考慮して決定されます。立退料を高くする要素としては、借地を使用する必要性の主張や更新料の支払い証明が重要です。

また、定期借地契約や契約違反がある場合、建物を建てる目的でない借地契約の場合には、立退料は発生しません。借地人にとっては、立ち退きを要請されている場合、借地権を売却するという選択肢も検討すべき選択肢といえるでしょう。

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